高齢者に多い低栄養に注意!

私たちが健康を保つためには適度な運動や良質な睡眠、精神的な安定感などが欠かせません。しかし体を作る栄養素を補給する食事はとりわけ重要なファクターです。

食べるのをやめてしまったら栄養が足りなくなり、いずれは死んでしまいます。またそこまでいかなくても、エネルギーが不足したら活動することができません。

少量で栄養補給できる食事が大切

意図的に食べるのをやめるという人は普通いませんが、意図せずに栄養素が不足していく場合があります。それは高齢者、特に75歳以上の後期高齢者に起こりがちな「低栄養」という問題です。

高齢者になって咀嚼する力や飲み込む力が弱くなると、少しずつ食事がないがしろになったり、食べることへの興味が以前ほどなくなる場合があります。そうなると必要な栄養補給が行われず低栄養状態になる恐れがあります。

低栄養状態になると体重がガクンと落ちて、これが炎症や転倒リスクの増加などにつながることがあります。また骨折しやすくなったり運動能力が低下します。

当然免疫力をあげる栄養素もないために、風邪や肺炎にかかりやすくなります。別の点としては低血糖状態になって吐き気やめまいなどが発生することもあります。

このように食事の量が自然と減る高齢者は低栄養という問題に要注意です。

少量で栄養補給できる食事が大切

消化器官や咀嚼・嚥下する力を飛躍的に向上させるのは現実的な話ではありません。ですから介護食を提供する時は、基本的に少量でも栄養補給をしっかりできるような食事内容にしてあげることが大切です。

「食欲があまりない」という人に無理に食べさせるのは良くないので、ちょっとした食材を少しずつプラスしてみるようにしてください。例えばおかゆを提供する場合、それだけだとエネルギーやタンパク質量が足りません。

ですから納豆などタンパク質を含む良質の食材をプラスするなど工夫します。そのまま食べるのが難しいのなら味付けを洋風にしてみたり、少し焼いて食感や風味を変えてみるのも良いでしょう。

補助食品を使うという方法もあります。例えばエネルギー補給をするためのゼリー飲料などは役立ちます。食べやすいですし、おやつ感覚でいただけます。こういうタイプの補助食品はたいした量はないので、少量でも栄養補給になります。

また芋や野菜などを使った健康的なおやつを併用しても良いでしょう。おやつが好きという人は多いので、3回の食事だけでなく間食のタイミングで栄養を摂ってもらうのも良い手です。