高齢者の誤嚥は危険

「食事を急いで食べて喉に詰まらせた」という経験をしたことは少なくないでしょう。あるいは「一度に大量のご飯をかきこんでむせてしまったり苦しくなった」というような経験を持っている人も多いと思います。

高齢者が食べにくい【皮・骨・ボソボソしたもの】

ご飯を食べるという行為に危険な要素は普通ありませんが、食べ方によっては思わぬ危険が発生する事があります。

危険の一つは「嚥下障害」などによって引き起こされる「誤嚥」です。「嚥下」とは食べ物を飲み込むことを意味します。通常食べ物は口の中から咽頭部分に行き、そこから食道に入って胃まで到達します。

しかしこの一連の過程に問題が起きると(嚥下障害)、食道ではなく気管に食べ物が誤って入ってしまうことがあります。これが誤嚥です。

誤嚥が起きるとむせたり咳込んだりします。これだけであればいいのですが、気道器官が衰えていて肺炎を起こすこともあります。肺炎が重症化すれば最悪命に係わることもあります。

ちなみに嚥下障害を引き起こす病気には脳梗塞や筋疾患などいろいろなものがありますが、これらの症状を患っている高齢者の場合、誤嚥が発生する可能性がより高くなります。

そのような高齢者はもちろん、誤嚥リスクがある人に介護食を提供する場合は、誤嚥されやすい食材を避けるのが賢明です。

高齢者が食べにくいタイプの食べ物とは

誤嚥を引き起こすリスクを下げるために、またそもそも高齢者にとって食べやすい食事となるように使う食材をよく吟味することは重要です。一般的に高齢者にとって食べにくい食材には以下のようなものがあります。

トマトやナスなどの皮は口の中に残りやすく食べにくい食材です。これらの野菜を使う場合は、事前に皮だけ取り除いておくか、あるいは切れ目を入れて食べやすくするなどの工夫が必要です。
ボソボソしたもの
パンやカステラやクッキーなどぱさぱさしたものは口腔内の水分を奪ってしまいます。クッキーを食べていたら喉に張り付いたという経験をしたことがある人は多いでしょう。またボソボソした食材、例えばひき肉のようなまとまりに欠けるものは誤嚥を引き起こしやすいものです。こういったものは可能なら避けると良いでしょう。もし使いたい場合は、とろみをつけてまとまりを持たせるなど工夫が必要です。
高齢者に限らず骨は食べにくいものです。ですから魚や肉などを使う時は丁寧に取り除いてから食卓に出すようにしましょう。小さくポロポロした骨を誤嚥してしまうリスクはゼロではありません。