口の中に残りやすい食材とは

高齢者に出す介護食には様々な工夫が必要です。高血圧のことを考えて塩分が少ないものにするとか、咀嚼しにくいものは避けるなど、意識しなければいけない点はたくさんあります。

口の中に残りにくい食材を使う」というのも、そんな注意点の一つです。

口の中に残る食材は介護食に向きません

口の中に残りやすい食材としては以下のようなものがあります。

トマトやナスなどの皮
これらの野菜を食べたことがある人なら分かると思いますが、実の部分を食べた後に皮だけが食べにくくて口の中に残ることがあります。高齢者は咀嚼する力や飲み込む力などが衰えているわけなので、そういった問題がより起きやすいでしょう。
ペラペラした張り付きやすいもの
ノリやわかめなどを食べていたら「口蓋部分などにぴったり張り付いた」という経験はないでしょうか。これは高齢者だけでなく若者でもよく起こります。ただ若者であれば舌ですぐに張り付いた食材をはがすことができても、口の力が弱い高齢者の場合はそれがなかなか難しいかもしれません。仮に喉などをつまらせなかったとしても非常に不快です。
乾燥しているもの
クッキーやビスケットなど乾燥しているものを口にすると、口の中にある水分がごっそりと吸水されてしまい、口がパサついた感じを受けることがあります。

他にもいろいろなものがあげられますが、このように口の中に残りやすい食材は介護食には向きません。

口の中に残らないような食材や調理法を意識する

上で紹介したような食材は、介護食を食べる人がよほど要求しない限り積極的に出すべき食材ではありません。しかし調理法を工夫すれば食材候補にしても大丈夫な場合もあります。

例えば口の中に張り付きやすいものについて触れましたが、薄く切ったきゅうりなども張り付きやすいものの一つです。でも気持ち厚めにきゅうりを切れば張り付くことがなく、かつ咀嚼しやすくなります。

あるいは塩もみしておくとしんなりして咀嚼・嚥下しやすいでしょう。のりも乾いた焼きのりとしではなく、刻んで提供すると食べやすいはずです。

このように口の中に残りやすいものを提供する場合は調理法を工夫して提供してあげましょう。ただし栄養素が他の食材からカバーできるのであれば、積極的には提供しない方がリスク回避になるとも言えます。